気になる感染症 中東呼吸器症候群(MERS)

中東呼吸器症候群(MERS)

MERSは新種のコロナウィルス(MERSコロナウイルスによる感染症です。
2012年に初めて確認されたウィルスです。
平成27年1月21日から感染症法の二類感染症に指定されています。
中東地域に住んでいる人や渡航歴(中東地域)のある人、
MERS感染者との接触歴のある人に症例が報告されています。
感染源の一つとして疑われているのは、ヒトコブラクダですが、日本国内ではこのウィルスを保有しているヒトコブラクダは、確認されていないようです。
感染経路は、動物からヒト、ヒトからヒトへの感染で、
飛沫感染(咳やくしゃみ等)や接触感染が考えられているようですが、正確には未だ解明されていないようです。
感染力は季節性のインフルエンザと比較して、弱いとされています。
症状は、主に発熱、咳、息切れなどです。
下痢などの消化器症状がみられることもあるようです。
潜伏期間も未だはっきりわからない部分もある様ですが、
例としては、1.9~14.7日間で、インターネット等で調べた限りでは、最長14日間と記載されている文献が多かったです。
治療法はまだ無く、対症療法になります。
予防としては、MERSが発生している地域では、呼吸器症状がある人や動物(ラクダを含む)との接触を出来るだけ避けます。
症状のある人は、他の人との接触を最小限にし、咳エチケットを守ります。
基本的にはマスクの着用、手洗いの励行など、インフルエンザの流行時期と同様な対策をして予防すること大切になると思います。
中東諸国やMERSの発生している地域から入国又は帰国後14日以内に呼吸器症状がみられたら、速やかに最寄の保健所に連絡したほうが安心です。

まとめ

病原体
MERSコロナウイルス

潜伏期
例としては、1.9~14.7日間

感染経路
主に動物からヒト
濃厚接触によるヒトからヒトへの感染
飛沫感染(咳やくしゃみなど)や接触
感染が考えられている。
*正確には未だ解明されていない。

主な症状
主に発熱、咳、息切れなど
下痢などの消化器症状がみられることもある。

治療
対症療法

予後
報告されたMERS患者の致死率は約36%

予防
MERSが発生している地域では、呼吸器症状がある人や動物(ラクダを含む)
との接触を出来るだけ避ける。
マスクの着用、手洗いの励行など。

中東諸国やMERSの発生している地域から入国又は帰国後14日以内に
呼吸器症状がみられたら、速やかに最寄の保健所に連絡

■気になる感染症 項目一覧
ジカ熱
中東呼吸器症候群(MERS)
エボラ出血熱
デング熱
手足口病
風疹
梅毒


参考引用文献
 インターネット
  厚生労働省HP内
   中東呼吸器症候群(MERS)に関するQ&A
   http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/mers_qa.html
   中東呼吸器症候群(MERS)について
   http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/mers.html
  厚生労働省検疫所HP内
   中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)について
   http://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/2015/06081138.html
   韓国と中国での中東呼吸器症候群(MERS)の発生状況の要約とリスク評価
   http://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/2015/06081548.html
   中東に渡航する方へ
   http://www.forth.go.jp/news/2014/05071434.html
  国立感染症研究所HP内
   中東呼吸器症候群(MERS)
   http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/alphabet/mers/2186-idsc/2686-mers.html
   中東呼吸器症候群(MERS)のリスクアセスメント(2015年6月4日現在)
   http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/alphabet/mers/2186-idsc/
   5703-mers-riskassessment-20150604.html

 書籍
 「よくわかる微生物」医学芸術社
 「ナースのための感染症対策マニュアル」文化放送ブレーン
 「医学大辞典」医師薬出版株式会社






記事まとめ 2015/7/1