ウィルスによる食中毒 ノロウィルス

特 徴

患者数では最も多い食中毒。
熱に弱い。
原因食品が判明しない場合が多い。
寒い時期に発生しやすい。
ウィルスの数が少なくても感染し発病。
人から人へ感染(飛沫感染などの直接感染)
症状がなくなっても(回復しても)、糞便中にウィルスが1週間
程度、長いときには1ヶ月程度、排泄が続く。


存在している場所

河川や海水など。


感 染 経 路

食品や手指などを介して経口感染。
調理者からの二次感染も多い。
*サンドイッチやパンなど
*飲食店、旅館、仕出し屋、学校などでの集団発生が多い。

人から人へ感染(飛沫感染などの直接感染)
*ノロウイルスは乾燥すると容易に空中に漂い、これが口等に入っ
て感染することもある。

原因食品の事例では、魚介類、仕出し弁当、ロールキャベツ、朝食
バイキング など。
貝ではカキが多い。それ以外にもウチムラサキ貝(大アサリ)、
シジミ、ハマグリ等。


発生しやすい時期

ピークは、12月から翌年の1月。
1年を通して発生。 
11月ごろから3月ごろまでが多い。


潜 伏 期

1日から2日


主 な 症 状

嘔気、嘔吐、下痢、腹痛が主症状。
発熱はあっても軽度。
その他の症状として、頭痛、筋肉痛、咽頭通、倦怠感など。
感染しても、症状が出ない人や軽い風邪症状の人も。


経 過 ・ 予 後

予後は良好。
症状が1~2日続いた後、治癒し、後遺症もありません。
感染しても発症しない場合や軽い風邪のような症状の場合もありま
す。
☆高齢者や子供、抵抗力の衰えている人は症状が重くなる場合もあ
ります。


治 療

抗ウイルス剤はなく、通常、脱水症状がひどい場合に輸液を行う等
の対症療法が行われます。

*注意
乳幼児や高齢者で抵抗力の低下している方は重症化しやすい。
脱水に注意(酷い場合は点滴)

●脱水症状
ノドが乾く。
唇が乾燥している。
頭痛、吐き気、めまい、皮膚の乾燥、体温上昇、倦怠感、目がくぼ
む、尿が少ない など。


予 防

表面を洗うだけではウイルスの多くは除去できません。
食品の中心温度85℃以上で1分間以上の加熱を行えば、感染性は
なくなるとされています
現時点においてこのウイルスを培養細胞で増やす手法が確立してい
ないため、正確な数値はないようです。

調理台や調理器具は洗剤などを使用し十分に洗浄した後、次亜塩素
酸ナトリウム(塩素濃度200ppm)で浸すように拭くことでウイルス
を失活化できる。
まな板、包丁、へら、食器、ふきん、タオル等は85度以上の熱湯
で1分以上の加熱が有効。

手洗いの徹底。

●感染者のふん便や吐ぶつを処理する際に注意する。
使い捨てのマスクと手袋を着用し汚物中のウイルスが飛び散らない
様に、ふん便、吐ぶつをペーパータオル等で静かに拭き取ります。
ふん便や吐ぶつが付着した床等は、次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃
度約200ppm)で浸すように拭き取ります。
拭き取りに使用したペーパータオル等は、次亜塩素酸ナトリウムを
希釈したもの(塩素濃度約1000ppm)に5~10分間つけた後、処分
します。
 
11月頃から1月の間に、乳幼児の間でノロウイルスによる急性胃腸
炎が流行します。この時期の乳幼児の下痢便および吐ぶつには、ノロ
ウイルスが大量に含まれていることがありますので、おむつ等の取扱
いには十分注意しましょう。



  食中毒 項目一覧


◇参考文献
インターネット
厚生労働省HP内
『高齢者介護施設における感染対策マニュアル』について
http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/tp0628-1/index.html
正しく知ろう食の安全
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/kodomo/dl/02.pdf
ノロウイルスに関するQ&A
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html
ノロウイルス食中毒対策について(提言)
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/10/dl/s1012-5a.pdf
国立感染症研究所感染症情報センターHP内 
感染症の話(ノロウィルス感染症)
http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k04/k04_11/k04_11.html
食品安全委員会HP内
ノロウィルスによる食中毒について
http://www.fsc.go.jp/sonota/norovirus.pdf
農林水産省HP内
ノロウィルス
http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/foodpoisoning/f_encyclopedia/norovirus.html